シロアリ業者の品格
私がこのシロアリ駆除業務に携わったのは今から40年近く前になります。
あるシロアリ業者に入社したての私はまだ見習い時期でシロアリの生態や駆除方法もほとんど現場で学習する毎日でしたが住宅をシロアリによって加害されたお客様の依頼を受け諸先輩たちとお客様の住宅にお邪魔すると決まってお客様は丁寧な挨拶と私達にすがるまなざしで「よろしくお願いします」と必ず言っておられました。
そしてお昼になると「昼食はあちらに用意してあります」と声を掛けられることがたびたびありました。弁当は持ってますといっても奥さん手作りの味噌汁つきの出前寿司が用意されました
今思うと当時はまだシロアリ駆除業者も少なく又今のようにIT時代でなくお客様はシロアリ・はねアリが出るとたいていは保健所に電話する人が大半のようでした。その頃のシロアリ業者は大切なお客様の住宅の害虫駆除してやると言う思いから高飛車な態度な人が多かったように記憶しています。
当時のシロアリ用薬剤は現代のものと違いシロアリだけでなくゴキブリからヘビ・ムカデなど薬剤を散布した住宅からその家に住むもの全てを追い出し殺傷効果がある薬剤を使用していました。もちろん住居人も逃げ出したこともあったようです。
しかし私が知る限りでは当時県内で有名業者でのシロアリ絶滅成功率は50%もありませんでした
なぜなんでしょう?当時はそれでもお客様は大切な住宅を守ってもらえると信じていました
私は毒性の強い薬剤を使用し、又おごった心でシロアリ駆除を請け負っている諸先輩達をお客様の為になっていないのではと日ごろから疑問に思いながら諸先輩に1年付いていましたがその後2年間独自に薬剤の勉強し使用器具の開発やしろあり協会の講習受講そして資格所得などして今の技術【シロアリ退治のわざ】が確立しました。
現代では大抵の業者さんはそれなりの技術を習得していると思っていますのであえてここに書きしたためたりはしませんが当社では昭和63年より8500棟の建物のシロアリ防除に置いて
再発【業界用語でシロアリの防除処理をしたのにもかかわらず保証期間内にシロアリが生息又は生き残りから個体数が拡大、存続した場合のことを言います】は2件だけです。
現代の住宅構造は日々開拓され私たちのノウハウ以上にシロアリの生態が微妙に変化しつつあります、それゆえに防除処理における目残しが起きる場合が必然的におきることがありますが昔のように防除処理をして半分近くか、それ以上に起こることは今ではありえないことです。
シロアリを絶滅させる技法は当社の独自の技術と経験に基づいて行われます。他社の方が一朝一夕でマスターできるものではありませんが記載すれば素人の方にはチンプンカンプなことでもその道の方なら大いに技術の向上になり他社に利益を与えかねますので、後は現場にてお確かめいただければ幸いです。
ところでここのテーマの品格ですが
もちろん、シロアリ防除では技術が重要なのは言うまでもありませんが、先に述べたように昔の考え方の業者がお客様の家からシロアリを排除する上でお客様が大切にしている住宅をどれだけ丁寧に取り扱うかが大切なことだと私は思います。昔の考え方の業者は和室の畳をめくって床板をはずして床下にもぐりこみ薬剤散布すればいいと思っている業者が大半でしたが私の会社ではいかに建物を汚さず傷つけづに作業するかを大切にしております。養生【マスキング】に徹底して時間を掛けております
畳の上にブルーシートを直に敷いたりせずクッションシートを敷いた上に敷くという二重のマスキング方式と進入口の部屋の壁から作業者の通り道は全てビニールシートで覆い被せる方式【昔の映画でE・TをNASAの科学者が捕らえに来たシーンの一部】を思わせる感じです。
映画E.Tの1シ-ン
養生の様子
台所の養生の様子......収納庫にはふたをして埃や薬剤が舞い上がる事を防ぎます。
食器や食品等にも薬剤等がかからないように養生します
施工中に家の方が誤って落ちないように注意をします。
昔の時代のようにシロアリ業者がお客様の家のシロアリを駆除してやるぞという態度からシロアリ防除をさせていただくという気持ちで請け負うことがこの時代のシロアリ業者の品格。高品格といえると思います。
最後まで読んでいただきまして有難うございました。